―HINAMI第七作
<予告編>
<作品化の経緯>
2010年2月28日に行われた千年映画祭2010で「映画アイデア投票」にて1位に輝き、作品化が決定!
(「みんなでつくって、みんなでみる」というコンセプトのもと、HINAMIの映画のアイデアは公募作品を投票によって選び、それを1年かけて映画化します。こちらから誰でも応募できます)
<あらすじ>
里中蘭(さとなからん)は20代半ばの女性。静かで神秘的な、近寄りがたい空気を身にまとっている。友人が1人もおらず、どんな仕事をしているかすらよく分からない、謎の人物である。
彼女には5歳離れた弟・葉(よう)がいる。姉とは対照的な人懐っこい性格で、アルバイト先である新聞配達所の経営者にかわいがられ、近所の子供たちにも慕われている。
彼らは10年ほど前に両親を相次いで亡くしている。父親の幼なじみである蟻村(ありむら)という中年の議員秘書が親代わりになっているが、彼はある証拠を種にして蘭に非合法な仕事を強要していた。蟻村には、蘭たち姉弟を骨の髄までしゃぶり尽くすだけの「理由」があった。
そしてもう一人、彼らの近辺に出没する者がいる。清田(きよた)という30代の男性である。彼は10年もの間ずっと、蘭たちを見守り続けている。彼にもまた、そうするだけの「理由」があった。
このところ、葉は悪夢を見続けている。それは、人が殺される夢。しかも、あたかも自分が人殺しであるかのように、一部始終を殺人者の目から見るのである。それにもまた、「理由」があった…。
<タイトルについて>
当初のタイトルは「目撃」であったが、脚本の改訂を繰り返した結果、「見てはならないものを見てしまった」というサスペンス的要素ではなく、「自分のアイデンティティを決定づける二者関係」というドラマ的要素がこの作品の軸となった。
蟻村は蘭たちの父親によって、清田は蘭たちによって、そして蘭と葉は相互に、それぞれのアイデンティティを決定づけられる。すなわち、ひとりひとりのキャラクターは単体では自らの存在を主張し得ず、軸となる他者との関係によって彼らの人格と人生が成り立っている。比喩的に言えば、ひとりひとりは単体ですっきりと存在できる「1」ではなく、他者とかけ合わせられることによって初めて「2」になる「√2」のような、頼りない存在だということである。
「人はひとりでは生きていけない」と言われる。本作品ふうに言えば、全ての人間は√2である。ならば、他者とどのような掛け算をするかを選ぶことが、すなわち生きることであろう。
このような思いと考えから、タイトルを「√2」に変更した。
主要キャラ原案
| キャラ名 | 概要 |
|---|---|
| 里中 蘭
(さとなか らん) |
20代半ば、女性。中学生の時に両親に相次いで先立たれて以来、弟の世話をしながら自分の力で生き抜いてきた人物。子供の頃に始めた新聞配達のアルバイトを今や「卒業」し、プロとして腕一本で食べていけるまでになっている。だが、彼女が身を投じてプロになったのは、「闇の仕事」の世界であり、そのことは弟にも内緒だった。中学生当時に両親を殺したのではないかとマスコミに叩かれ、当時未成年だったにもかかわらず顔写真まで流出し、彼女はもはや失うものは何もないと感じている。自分自身以外、何も信じていないし、頼りにもしていない。そんな彼女が唯一無条件に大切にしているのが、たったひとりの弟である。 |
| 里中 葉
(さとなか よう) |
20代前半、男性。頭の回転が鈍く、言葉も足らず、不器用で、およそ仕事という仕事は何一つできない。だが、屈託のない笑顔と素直な人柄ゆえに、中学生の時に始めた新聞配達のアルバイト先で誰からもかわいがられている、いわゆる「愛されキャラ」。何事につけ有能で、常に自分で道を切り開いてきた姉(蘭)と対照的に、人の世話にならねば生きていけない。生活圏も極めて限られており、自宅近辺と新聞配達のルート以外はほとんど何も知らない。 |
| 清田 義人
(きよた よしひと) |
30代半ば、男性。単純労働に従事しつつ、遠くから里中姉弟を見守る、寡黙な人物。正義感が強く、妥協を嫌い、何より自分に厳しい。彼ら姉弟が子供の頃に負ってしまった傷について責任を強く感じており、それを償うために残りの一生を使おうと決意し、約10年が経過して現在に至っている。 |
| 蟻村 久
(ありむら ひさし) |
40代、男性。表向きは大物市議会議員の秘書だが、裏の仕事にも手を染めて荒稼ぎしている、知る人ぞ知る「影の実力者」。蘭の裏稼業の雇い主でもあるが、内心では蘭を自分のものにしたいと思っており、あの手この手で彼女の心を揺さぶったり、追い詰めたりしようとする。だが、賢くしたたかな蘭は、簡単には蟻村の思うようにはならない。 |
| 泉 真紀
(いずみ まき) |
20代前半、女性。大手マスコミに就職し、最初の赴任先として、この物語の舞台である熊本にやってきた。名前の通り「真実」を追究することに命をかけており、社会正義を貫くためにこの仕事を選んだ。行動には一切の「裏」や打算のない、純粋すぎるほど純粋な人物。だが、あまりにもまっすぐ過ぎて、行く先々で人とぶつかり、トラブルを引き起こす。そしてある日、自分と正反対のタイプである葉と偶然出会い、いつしか彼に心惹かれるようになる。 |
★「√2」葉役 早瀬光さんのブログ
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