長編第3作「ご近所法廷」

制作年 2007年

HINAMI第三作 2×××年、隣人に対する無関心に歯止めをかけようと、政府が一本の法案を通した。名づけて、『隣保組裁判法』。全ての犯罪について、発生現場の近隣住民が裁判を行って判決を下し、それに従って国が刑の執行をするというもの。 そんな中、熊本市内にある瀬ノ口クリニックで、寝たきりの患者1名が死亡。ベッドに備え付けのチューブ類の外れ方が不自然だったことから警察は殺人事件の可能性ありとして捜査し、当直の看護士が容疑者として逮捕された。かくして、年齢性別を考慮して無作為抽出された近隣住民8名に瀬ノ口クリニックの一人娘明日香が加わり、総勢9名で裁判にあたることになるが・・・。 HINAMIの3作品目となる「ご近所法廷(仮)」は、それぞれに悩みを抱えた隣人達が、裁判を通して自分自身の弱さを認め、相手を受け入れることで救い救われていく物語。「人は皆愚かしい、でもちょっとだけ美しい」と素直に感じられるような作品にしたいと思っています。

<登場人物及びキャスト>

明日香(松浦幹子) 事件現場である瀬ノ口クリニックの一人娘
リサ(植垣依子) 自称アーティストの売れないラップ歌手
美智子(金子順子) 異常に噂好きの主婦
サチエ(上村澄江) 実は不治の病を抱える元気なおばあちゃん
ジミー(峯村純一) 人あたりはいいが目は決して笑っていない「アーティスト」
真一(桐谷武史) 超合理的なエリートビジネスマン
和夫(菰田優) リストラされたことを全てアメリカのせいにする元会社役員
ヒャッホイ(中島淳一) 一切の言動が意味不明な宇宙人
松蔵(矢野福敏) 皆の発言を片っ端から書き付けるマメなおじいちゃん